勝負してるのが楽しいな!(対談前編)
更新日:2020年10月13日
10人と話す、10年目。2人目は株式会社ASAのグループ会社 株式会社ASAtte代表取締役の鈴木雅岳さんです。もう10年どころか25年前からお世話になってる大先輩。対談していただいてほんとありがとうございます。対談場所は雅岳さんのおすすめのお寿司やさん「鮨 よねくら」さん。わざわざ予約までしていただきました。対談では兄さんに久しぶりにバシバシ言われて気持ちのいい対談でした♪

兄さんに昔言われて気になってたこと今聞いていいすか?
田村 兄さん、ほんとお久しぶりです!なかなかお会いできなくてすいませんでした!
鈴木 だな!久しぶりだなほんと、田村さ呑みましょう呑みましょって言って全然連絡してこねーしな。
田村 いや〜ほんとすんません...
鈴木 何?これ真面目に話した方がいいやつか?
田村 そうですね〜♪できれば真面目に話してもらえると〜
鈴木 分かった!んじゃ真面目に話すか♪んで、なんでこの10人対談始めたんだ?
田村 今、新型コロナウイルスとかで色んな人と会えないじゃないですか、皆さんどんなこと考えてるのかな?って聞ける情報交換も中々できませんし、だからなんか少しでも東北で頑張っている方々の考えや声届けられたらいいな〜って思いまして。
鈴木 真面目か!
田村 よく言われます...

田村 僕いくつか兄さんに今だから聞きたいことありまして。2つ?くらいあるんですね、え!なんで言われたんだろう?ってやつが。今回聞いてもいいですか?兄さん、まず僕と初めて会った時のこと覚えてます?
鈴木 んとな、確かどっかの地下の呑み屋だな。
田村 わ!凄い!覚えてるんですね!
鈴木 店の名前忘れたな?なんて言ったっけな?
田村 確か「ベベ」ってお店ですね!そん時言われたのがまず聞きたい1つ目で。僕、個展やってたんですよね、23歳くらいだったと思うんですけど、当時 広告代理店のクリエイティブに奇跡的に雇っていただいてもらえていて、休日にたまに描いていた絵?グラフィック?をそのお店で飾って販売してて。その時兄さんもお店にお客さんで呑みにきてて、僕はその時この世界入ったばっかでまだ兄さん知らなかったんですけど、兄さんに「お前 田村って言うんだろ?今すぐフリーになれ!」って突然言われたんですよ。僕多分、まずこの怖そうな人誰?え!フリーって何?って。何言われてるか全然わかんなかったです♪
鈴木 あーそんなこと言ったな♪絵見てさ、なんか出来そうな奴だからもうフリーでいいんじゃねか?って思ったから言ったんだろうな。
田村 ワオ!そんな感じでの一言だったんですね。当時はほんと何言われたんだろうか?と色々考えてしまいましたよ帰り道で、その後兄さんがハレルヤグラフィックスの雅岳さんだと知って、きちんと事務所に挨拶に行きました。怖いからフフフ。その後3〜4年経って、少し僕が使い物になる頃にはよくプレゼンで当たりましたよね♪
鈴木 だな!俺は今でもそうだけど勝負事好きだからな〜、あの頃は大型のプレゼンは大手広告代理店が5社くらいで競っててな、どこの代理店が誰と組んだらしいぞ!とかよく話に上がってな、田村もよく同じプレゼンに敵として参加してたよな。俺はもう出来たけど田村は出来たのか?とか聞いたりしてな。多分俺が勝つけどな!とか言ったりしてな♪負ける気してなかったからな毎回俺は♪
田村 ですね〜なんかめちゃくちゃ楽しかったですね♪どんなアイデアで、どんな切り口で
みんな考えてるのかな?って。僕は兄さん達より年下だったので、常にチャレンジャーでいられたので特に楽しかったです。プレゼン結果出た後に勝っても負けても種明かししたりして見せあったりして話したりしましたね〜まだ僕25歳くらいだったのに、いつもきちんと話してくれてそれも嬉しかったです。勝っても負けても制作物に感想言ってくれてたので。

鈴木 あの当時はプレゼンに呼ばれること、選ばれることが名前知ってもらうには重要だったからな。なんつ〜か作った物で評価がしっかりされてたしな。だから中途半端な物は作らなかったな、世に出てこれ誰が作ったんだ?って言われて恥ずかしい物は出せない。まーそれをずっと続けるのはもの凄く大変だが、でもそれが面白い。田村みたいなさ後輩に、こんくらいやんねーとダメだぞ!ってもんを作らないととも思ってたな。やっぱさ、下のもんを育てなきゃって思いもあったしな。
田村 それは感じてました。僕が広告代理店を退職してそれこそフリーランスになりグラフィック・トイとして1人で始めた頃、プレゼンばっかりの毎日に疲れてしまい、一時チラシを制作して暮らせればいいや♪って思い全然考えるのやめてた時、何してんだお前?ってけしかけてくれたのも兄さんでした。厳密に言うと、兄さん、コピーライターの鎌田さん、キュービックのマスカタさんでした。プレゼンずっと参加してなくて、たまたま兄さん3人が参加してたアエルの献血ルームOPENのCMとグラフィックのプレゼンで、オリエンシートとラフ段階のプラン持ってきて、お前!これ考えろ!考えのやめたのか?ってほぼ怒られてる感じで♪で兄さん3人と参加させてもらいプランさせてもらって、で結果獲得して。考えんのやっぱり楽しいなーって気づかせてもらいました。
鈴木 あったな〜そんなことも♪代理店時代にずっと考えてプレゼン参加してたのに、田村最近こもってチラシしか作ってないって言うからさ。だらしねーなーとか思ったのかもな。逃げんなよとかかもな?俺らはさ、ずっと今も勝負してるからな。なんだか急に引っ込んでんのがイラっとしたのかもな。最近もあちこちで、田村って何してんの今?って聞かれるぞ?お前今あんまプレゼン参加しねーから。
田村 ハハハ♪それこの前バッタリお会いしたコピーライターの鎌田さんにも言われました♪どなたかに田村って何してんだって聞かれたらしく、俺が田村のこと何で言わなきゃなんねーんだって言ってました♪ごもっともです。すんませんほんと。でも大丈夫です♪考えるのはやめてませんから♪
田村 そのアエル献血ルームのプレゼンで獲得したCMの撮影中に言われたのが2つ目の聞きたいことで。撮影のセッティング中に僕をジッと見て、兄さん「田村さ、お前色々バカにしてんだろ」って言われたんですよ♪これまた、え!なんで!ってびっくりして。
鈴木 あー言ったな。だってさあの当時お前スカしてたもん♪というかヤナ奴だったもん♪
ヤナやつだったけど、まー負けたくねーからだろうなとは思ってたし、ヤナ奴だけど努力してたもんな。努力してたから話してたんだろうな。努力してなかったら俺まず話しねーからな♪でもヤナ奴だったぜお前は♪あの時は田村何歳だ?
田村 独立したばかりですから、30歳ですね。
鈴木 あ〜ま〜そんんくらいの時が一番調子のっからな♪俺もそうだったしな♪でもさ、お前もよく生き残ってるよな。なんだかんだでこの世界色んな人いたけどさ、うまくいかない奴も沢山いただろうしさ。田村は当時イヤな生意気な奴だったけど、生き残ってるってことは自分を色々変えようと努力はしてきたんだろうな。じゃなきゃ生き残ってないと思うぜ。



これからもパートナーは大切だぞ
鈴木 田村さ、お前のパートナーって誰だ?
田村 パートナーですか?
鈴木 ずっと仕事しててさ、自分のクリエイティブを理解してくれるパートナーな。俺も俺の時代で築いたパートナーがいるわけだよ。カメラマンやコピーライターやスタイリストや。自分のチームつ〜のかな。そういうの大切にしないとダメだぞ。やっぱいいもん作るなら、まずは自分の考えをしっかり理解してくれる人。提案してくれる人。そういう奴らと組まないとレベルが下がる。俺はずっと長い間そういうチームを大切にしてきた。どんなプランでもやっぱり感がいいというかピンとくるのが早い奴と組むことが重要だと思うんだよな。だから田村も今までのお前の作ってきた物に参加してくれた人達を大切にしないとダメだぞ。ヤナ奴に戻らないようにな♪今日撮影してくれてるのは磯崎だけど、磯崎も磯崎の時代でのパートナーを見つけないとな。自分の写真をしっかりデザインしてくれる人と出会いパートナーとなることが必要だぞ。
鈴木 とは言え、俺は今は少しずつ次の世代に任せていかなきゃいけない立場でもあるからな。優しい言い方だとは思うけど、頑張れるだろ♪やれると思うぜ♪とうちの会社のみんなの背中も押してあげなきゃならない。ついつい手伝いたくなるというか、思わず俺が作ればいいかとか思ってしまうこともまだあるけど、やっぱり任せていかなきゃいけないしな。どんどんデザインの世界も変わってきてるし、広告の仕方も変わってきてる。通用しないとは思ってないけど、色んな経験を教えて、またそこからそれぞれの時代で新しい物を自分で見つけたパートナーと作っていけいければいいんじゃね〜かな〜。ま〜俺は俺の時代で俺のパートナー達とお前達とはまた違う物作っていくからさ♪
田村 なるほど。そうですね。大切にしていきたいと思います。それ聞いてもう1つ思い出しました。僕がフリーの頃に夜10時くらいに兄さんから電話きて、何してた?プレゼン手伝わねーか?って言われ、大丈夫ですよ♪いつ出しですか?と聞いたら、あ〜明日の朝だから今から来いって♪え?って思いましたが、お前なら朝まで5案くらい出せるだろ♪と言われ、わ!ここで逃げたらもう話してくれないな〜って思い朝までに5案グラフィック出しました。結局頑張れよ♪って言われてて、うまく背中押してもらってたんでしょうね。当時はえーーーーー今から?と衝撃でしたが。
鈴木 ハハハ♪そんなんもあったな♪でも朝までに5案出せたじゃん♪終わるまで帰れない!ま〜今では社会的にそうもいかないが、気持ちはあん時のままだよ。俺もお前も鍛えられたってことだな♪

前編は、兄さんとの懐かしい話と、僕がヤナ奴だった♪というお話でした♪相変わらずズバズバ言ってくれて気持ちがいいです♪次回後半は、兄さんが考えるこれからのお話をお聞きしてみました。お楽しみに。
Photo/磯崎 亮 文/田村 晋